『第1回』コダック/レチネッテシリーズ
Kodak Retinette series




(左から)レチネッテ1B、レチネッテf、レチネッテ2

【ドイツ製コダックカメラの歴史】
 21世紀になった現在もフィルム業界世界NO.1の企業コダック社が、第二次大戦前の1932年にドイツの新興カメラメーカー、ナーゲル社を買収したのがドイツ製コダックカメラの誕生でした。初代レチナは世界で初めて35mmパトローネ入りフィルムに対応したカメラとして知られています。35mmパトローネ入りフィルムとは、現在市販されている最も一般的な35mmフィルムのことです。当時のライカやコンタックスは貴族のアクセサリーのような高価な商品であったのに対抗して、手頃な価格でマニュアルを読めば良い写真が誰でも失敗なく撮れるカメラ、つまりカメラの大衆化を狙って新しいタイプのカメラが開発されました。それが、コダックレチナというカメラです。それでも十分に高価な商品だったみたいですが。そのレチナの廉価版としてレチネッテは誕生しました。レンズを安いものにして機能を省いて値段を抑えたタイプとして、戦前には蛇腹付きモデルとしてレチナの部品を流用して作られています。
 月日は流れて、第二次大戦後にレチネッテは蛇腹をなくした固定鏡胴になり1966年までにいくつものバリエーションを生み出しました。共通する特徴は、レンズはトリプレットといわれるシンプルな三枚構成。距離計はなくピント合わせは目測式。もちろんシャッターは機械式です。

【レチネッテ2 Kodak Retinette II (type 026)】

発売年 1958-59年
発売時価格 350 DM
生産台数 19,000台
レンズ Schneider-Kreuznach Reomar f:2.8/45mm
シャッター COMPUR-Rapid (B,1〜1/500)

このカメラは最初はレチナより安くて、見た目がかっこいいという程度の理由でebayでアメリカ人から買いました。おかげで目測の距離がfeet表示だったりします。Paypalで送金して待つこと2週間、はるばる海を越えてやってきました。
初めての海外オークションで買ったのでどんなものが送られてくるのか心配していたのですが、なかなかいいカメラを買うことができました。ブライトフレーム付きのファインダーは見やすく作りは非常に丁寧に作られています。大衆機とはいえ手抜きはありません。

シャッターはコンパーラピッドというタイプで上位機種のレチナと共通です。絞り値ではなく、LV値が上から見えるようになっています。絞りの値は横の方にこっそりと書いてあります。おそらくレチナ3cやレフレックスなどに合わせたためだと思います。レンズの周りには絞りに応じて変化する赤い被写体深度の目安があります。絞り込むとそれに応じて赤い目安が両側に広がっていきます。こんな凝った機構は今ではお目にかかれません。

巻き上げレバーがボディーの下にあるので軍艦部はシンプルです。左から、フィルムの種類をメモする表示の付いた巻き上げノブ、アクセサリーシュー、減算式のフィルムカウンター、シャッターレリーズです。
筆記体で書かれたロゴがかっこいいです。裏蓋の皮にもエンボスでRetinetteのロゴが書かれています。

肝心の試写した結果ですが、、、感想はReomarってすごい、、、
いっぺんに気に入りました個人的な印象では、写りは濃厚で派手な感じですね。電球を直接画面に入れるような場合でもフレアも発生しないし、ばっちり写ってました。カメラ関係の本にはトリプレットレンズは構造上四角が甘くなると書いてあるのですが、このレンズに関しては特に感じませんでした。ただ、遠景というか風景を撮るような場合は解像度が低く感じます。作例がなくて申し訳ないのですが、フィルムスキャンできるスキャナーを買ったらここに置く予定です。
というわけで、あまりの写りの良さにショックを受けて、他のレチネッテも買ってしまいました。すっかりRetinetteの虜に、、、ついでにebayにもどっぷりはまりました



レチネッテfに続く




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